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November 30, 2013

暮らふとfactoryのようす① 「トークと体験~地場産業を身近に~」


11月24日(日)、元鋳物工場のKAWAGUCHI ART FACTORYで〈暮らふとpicnic/暮らふとfactory〉を開催しました。




この〈暮らふとpicnic〉という企画は、川口市内を広場と見立て、テーマに合わせたそれぞれの場所でイベントをおこなうというというもの。
川口のことをもっと知って、もっと好きになってもらいたい、そして日々の暮らしをたのしくしていけたら、そんな想いから始まりました。

1回目は今年の9月に川口野菜を使った料理教室を開催。その様子はこちらのブログでも以前に紹介しています。(暮らふとkitchen 地元農家の集まるところ当日の様子①当日の様子② 



そして2回目となる今回は、川口の代名詞でもある「鋳物工場」が会場となりました。
川口暮らふとがいつも目指している『つくり手×作品×参加者』の交流や出会いの場づくり。それらを市内や関係する多くの方々の協力によって、元鋳物工場で実現することができました。
ここでは当日の様子を紹介していきます。


まず、地場産業について考えようという目的でおこなったトーク「鋳物とデザイン~鋳物で商品をつくるために~」ではKAWAGUCHI i-monoについて、お鍋のデザインを手掛けた齋藤善子さん(プロダクトデザイナー/KaB DESIGN代表)にお話しいただきました。



川口鋳物との出会いや「JAPANブランド」のこと、商品開発から販売までに至った経緯、そして川口鋳物の歴史や特徴などについてデザイナーの視点から分かりやすくお話しいただき、地元の人でも知らなかった鋳物の一面を知ることができました。



そしてトークの後半では料理家の太田由貴子さんの協力で、i-mono鍋で作ったスープやコーンブレッドなどを参加者にご試食いただきました。



熱を伝えやすく保温性がある鋳物ならではの温かさに体がじ~んと温まった、という声をたくさんいただきました。もちろんスープに使った野菜は川口野菜です。(協力 JAあゆみ野



今回のために試作を重ねてつくった「川口鋳物×川口野菜」のオリジナルレシピ。会場ではそのレシピも特別に配布しました。


料理家・太田由貴子さん(写真左)  春華園茶舗・蓮見由美子さん(写真右)

トークでは、飛び入りのゲストとして、埼玉で大麦の普及に取り組む方や川口商工会議所でKAWAGUCHI i-mono の活動に尽力する方などにも急きょお話しいただくなど、齋藤さんと地元の方々との密な繋がりも伺うことができました。

地場産業で新商品をつくるという難題に挑戦している齋藤さんだからこそ見えている地域の問題点や課題。そうした事実を共有しながら、川口の今後のものづくりについて私たちも一緒に考えていきたい、そう思わされた機会となりました。



トークの会場には、KAWAGUCHI ART FACTORYが鋳物工場として稼働していた昭和40~60年代の様子を写した白黒写真も展示し、工場の歴史も振り返りました。
(写真提供:KAWAGUCHI ART FACTORY代表 金子良治)


そしてもうひとつ、地場産業を実際に体験してもらおうと思って開催したのが「伝統織物・双子織の紹介と織機体験」です。蕨で生まれ、川口に伝わった双子織。



実は、川口市は江戸後期から昭和初期にかけて鋳物に次ぐ地場産業として機業が盛んだったのです。

今回は蕨で双子織の活動をおこなう「はたごっこ」の方々に協力いただき、特別に会場内に織機をお持ちいただき、一般の方に機織体験をしていただきました。




今や貴重なものとなったこの風景。糸を交互に入れて織っていく作業は、本当に手間と時間がかかるものですが、その分あたたかな風合いに出来あがります。
 




会場には、糸を紡ぐための「糸車」や草木染めで染めた「糸」なども展示しました。
体験することで、より双子織を身近に感じ地場産業に関する興味も深めていただけたのではないかと思います。



暮らふとfactory
2013年11月24日(日)12:00~17:00
会場:KAWAGUCHI ART FACTORY
主催:川口暮らふと実行委員会

機材協力:川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブン
平成25年度川口市市民助成活動