September 30, 2011

インタビュー1・・・2020製陶所

2020製陶所は、成形を担当する原村俊之さんと、絵付け担当の原村佳恵さんご夫妻の工房です。ウツワニスト、エツケニストと自称するそんなお二人が気になって、お話をうかがってみました。

Q1.先ずは、製陶所のお名前2020について教えていただけますか。
2020(にまるにまる)の由来は、兼好の「徒然草」です。「つれづれ」を数字になおして「2020」。兼好が「徒然草」を綴った境地で器作りが出来たらと思っています。

Q2.お二人ともに、伊万里・有田で技術を学ばれておられますが、なぜ伊万里・有田だったのでしょうか。また、古伊万里を意識されて作陶されているとの事ですが、どのようなところに惹かれておられるのでしょうか。
焼きものは陶器と磁器に大きく分けられますが、私たちは磁器作りを学びたいと思っていました。
佐賀の有田は日本磁器発祥の地なので、有田に行ったのは自然の流れでした。
有田には秀吉の朝鮮出兵の際、日本に連れて来られた李参平という人が発見したといわれる磁石場(磁器原料の採掘場)があります。そこは元々一つの山だったと考えられている場所で、400年近くかけてその山が皿に変わっていったことを想像するとなんだか熱い気持ちにさせられます。この磁石場は、有田でも好きな場所の一つでした。(原村俊之)

私たちは古伊万里の中でも特に初期伊万里に惹かれています。のびのびとした筆使い、釉薬の質感、不完全な美、などなど。
作ろうと思って作れるようなものではありません。それに初期伊万里には朝鮮からの文化の流れなど、歴史のロマンがたくさん詰まっています。
有田にいた頃は、町に点在している窯跡をよく散歩しました。窯が全盛だった頃を想像しては、やはり熱い気持ちになっていました。
私たちの作品は、けっして古伊万里らしくはありませんが、文様や技術などを参考にすることがよくあります。所詮、古伊万里には敵わないので、自分たちらしさを大切にしようと心掛けています。(原村佳恵)

Q3.今年お子さんがお誕生されたそうですね、おめでとうございます。作品や考え方に変化はありましたか。
子どもが産まれたことで、今まであまり考えたことのなかった子どもの器について考えるようになり、実際に子ども用食器のお仕事もさせていただきました。これからも積極的に、子どもに喜ばれるような器を考えていきたいです。

Q4.川口暮らふとには、どのような作品が並ぶ予定でしょうか。アピール、メッセージなどありましたらお願いします。
2020製陶所らしい作品といえば、染付とチョコミント色の器かもしれません。「川口暮らふと」では、多くの方にこれらの作品を見ていただきたいと思っています。そして、「川口暮らふと」の記念すべき第一回に参加出来ることを大変楽しみにしています。
皆様、どうぞよろしくお願い致します。

2020製陶所 →HPへリンク