春先や初夏に多く行われる五穀豊穣を願う催しもの。
ここ川口の安行原でもそういった行事が行われます。
川口市指定無形民俗文化財の「安行原の蛇造り」です。
毎年5月24日に五穀豊穣・天下泰平・無病息災などを祈願するため
藁でできた長さ約10メートルの蛇をつくります。
▲ワラをたばねてかたちづくっていきます。 |
この行事のいわれは、戦国時代にまでさかのぼります。
赤山勢との戦いで千葉氏の家臣である原弾正が戦死した際、
亡霊となって祟られることを恐れた村人が弾正を蛇身にし、
その魂を鎮めようと始めたのだといわれています。
この蛇身をかけるケヤキも弾正を葬ったときに墓標として
植えられたものとされています。
また昔、疫病がはやり藁で蛇をつくってお地蔵さまに供えて
祈願したのが始まりとも伝えられています。
▲川口緑化センターにも展示されています。 |
と、諸説ありますが昔から蛇はいつの時代も、様々な国で
信仰の上で多く用いられ、とても重要な役割を担っています。
脱皮を何度もすることから、生命力や豊穣などの象徴とされたり、
雨や雷をよぶ天候の神ともされてきました。
そういった要素が重なって、川口の行事である「安行原の蛇造り」
へと発展したのでしょう。
地元の文化をまたひとつ知る機会となりました。