May 31, 2013

川口の初夏の行事


 春先や初夏に多く行われる五穀豊穣を願う催しもの。
 ここ川口の安行原でもそういった行事が行われます。

 


 












 川口市指定無形民俗文化財の「安行原の蛇造り」です。
 毎年5月24日に五穀豊穣・天下泰平・無病息災などを祈願するため
 藁でできた長さ約10メートルの蛇をつくります。
 
 
 
▲ワラをたばねてかたちづくっていきます。       


 













 この行事のいわれは、戦国時代にまでさかのぼります。
 赤山勢との戦いで千葉氏の家臣である原弾正が戦死した際、
 亡霊となって祟られることを恐れた村人が弾正を蛇身にし、
 その魂を鎮めようと始めたのだといわれています。
 この蛇身をかけるケヤキも弾正を葬ったときに墓標として
 植えられたものとされています。
 また昔、疫病がはやり藁で蛇をつくってお地蔵さまに供えて
 祈願したのが始まりとも伝えられています。

 
 
▲川口緑化センターにも展示されています。       



 と、諸説ありますが昔から蛇はいつの時代も、様々な国で
 信仰の上で多く用いられ、とても重要な役割を担っています。
 脱皮を何度もすることから、生命力や豊穣などの象徴とされたり、
 雨や雷をよぶ天候の神ともされてきました。
 そういった要素が重なって、川口の行事である「安行原の蛇造り」
 へと発展したのでしょう。

 地元の文化をまたひとつ知る機会となりました。