寒くなってきたので、あったかくなるようなお話しを少し。職人の街・川口には、今なお昔ながらの『銭湯』があります。
ガラガラと引き戸を開けると番台があり、脱衣所には昔ながらの広告や体重計、そして浴室にはケロリンの洗面器と、男女の湯にまたがる立派な富士山。そんな姿の『銭湯』が今も当たり前のようにあり、いつも地域のみんなに親しまれています。
銭湯の数が最盛期だったと言われる昭和44年、川口には70軒の『銭湯』があり、556軒の鋳物工場がありました。工場数に比例して増え、そして現在急激に減っている『銭湯』は、今では約15軒。
それでも、埼玉県内では最大数、日本でも珍しい多さです。
昔から“ものづくり”と共に築かれてきた川口の銭湯には、受け継がれてきた文化や歴史、私たちが大切にしたいと思う美意識が凝縮されています。
底冷えする寒い日には、少し熱めの湯にのんびりつかって、身も心もぽっかぽかになってみませんか。
「川口に銭湯が多かった理由」については、また次回ご紹介します。
※今回の写真は「あづま湯」さん(埼玉県川口市芝西1-14-8)です。